一般的に、子ども達は幼稚園や保育園に通うのが当たり前…って思いますよね。
都心では「待機児童問題」などがクローズアップされており、「保育園に入りたくても入れない」という状況が目立ちます。
しかし、現実は幼稚園にも保育園にも通っていない子どもも多くいるんですよね。
わたしの周囲にも、数人いました。
そこで今回は、
- なぜ幼稚園や保育園に通わない子がいるのか?
- 幼稚園や保育園に行かない子どものメリットとデメリット
を紹介していきます。
も・く・じ
幼稚園に行かない選択はあり?
幼稚園や保育園と言うのは「義務教育」ではないので、「行かない」という選択肢は「あり」です。
- 保育園…日々保護者の委託を受けて、保育にかけるその乳児、または幼児を保育すること
- 幼稚園…幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること
参照元:文部科学省HP
つまり保育園や幼稚園は、両親が共働きで「保育に欠ける」子どもを預かったり、「幼児教育」を学ばせたいと言う理由などで、利用する施設。
専業主婦で毎日子どもの面倒が見れる、というママであれば幼稚園や保育園に通わせる必要はないんです。
わたしの周囲にいた「幼稚園行かない子」もほとんどこうした理由でした。
子どもを幼稚園に行かせず、家で保育しているママたちに、幼稚園に通わせない「メリット」について聞いてみると…
幼稚園、保育園に通わないメリット
- 集団生活ではないので、感染症などの病気の予防がしやすい
- 保育料などのお金が掛からない
- 幼少時をママや家族と密着して過ごすことができる
- 家庭の教育方針で育てられる
- 毎日が時間に追われず、まったりと過ごせる
病気の予防がしやすい
毎年11月~3月くらいの幼稚園は、感染症の嵐…。
流行りものに敏感な子どもは、冬の間にいくつもの感染症をいただいてきてしまいますよね…。
予防接種じゃ防げないレベル。
幼稚園や保育園に預けると、集団生活なので、どうしても流行りの病気にかかる確率が多くなってきます。
幼稚園に行かせず、家庭のみで子育てを行うと、感染症にかかる確率は格段にへります!
保育料などのお金が掛からない
幼稚園や保育園に通うためにはお金が掛かります。
2019年10月からは「幼稚園無償化」がスタートし、保育園の保育料も3~5歳は無償化になります。
>>「幼稚園費用の無償化について」の記事で、詳しい金額も紹介しているので、そちらも併せてどうぞ!
幼稚園無償化になれば保育料かからないじゃん!と思うのだけど、給食費や教材費など出費は結構多いです。
家の幼稚園は遠足でディズニー。宿泊先は各ご家庭でご予約を…でした…鬼のようにお金かかったw
幼稚園に行かずに家庭内保育であれば、当然保育料などのお金はかかりません。
ママや家族と密着した幼少時を過ごせる
共働き世帯の子どもの場合、朝早くから夕方まで幼稚園や保育園で過ごすという事もありますよね。
お迎えの帰りの車でおにぎりを食べて、そのまま朝まで寝ちゃうって子もいました、知り合いに。
両親が仕事なので仕方の無いことなのですが、1日中保育園にいると、どうしてもママとの関わる時間が少なくなってしまいます。
幼稚園、保育園に行かなければ、1日中家族と一緒。
家事のお手伝いや、公園で時間を忘れて楽しむなど、幸せな幼児期を過ごせると考える人もいます。
(幼稚園や保育園でも、共働きでも、親から愛されていたら子どもは幸せです!価値観の一つの話です)
わたしは「マイペースで家事やりたい…」派なので、数時間でも幼稚園で過ごしてくれたらすごく助かってましたけど^^;
家庭の教育方針で育てられる
幼稚園や保育園は独自の「教育方針」や「カリキュラム」というのがあります。
施設に通う以上、その方針に合わせていく必要があります。
子どもによって合う子もいれば「窮屈」に感じる子もいますよね。
ママにとっても「もっとこうして欲しい」という願いが出てくる事もあるでしょう。
家庭のみで子育てを行うのであれば、子どもに合わせた教育や、ママの教育方針を伝える事が出来るというのも魅力の一つです。
毎日がまったりと過ごせる
保育施設に通うと、どうしても「時間通りに行動する」という生活になります。
朝起きてバスの時間に合わせてご飯を食べて歯を磨き大急ぎで着替えて外へバタバタと走り出る日々…。
子どもに対しても「早く!」という場面が増えてしまうんですよ。
時間通りに行動することも社会性を身に着ける意味では大事ですが…幼児期くらいまったりと過ごさせてあげたいってしばしば思っていました。
- 「子どもが時間を忘れて1つの事に夢中になる」
- 「自分のペースで行動する」
- 「せかさない」
家庭でなら,こういった子どもの欲求を満たしてあげる事も出来るし、ママも必要以上に時間に縛られずにお互いにのんびりできますよね。
もちろん、「時間を守る」「けじめをつける」というのは大切なことですが、
「子どもの欲求を満たしてあげる」というのも、子育てにおいてとても重要なのです。
幼稚園・保育園に行かない割合はどのくらい?
では実際に、本当に幼稚園にも保育園にもいかない子供は、どのくらいいるのかを調べてみました!
引用元:文部科学省HP
平成29年の調査では、3歳児以上の子どもで、保育施設に通わない「無園児」は、約14万人いるとされています。
上の図の割合でいうと、3歳以上の無園児は、全国で約3%前後となっていますね。
100人に3人…やっぱり超少数派です。が、確実にいるんです。
なぜ幼稚園や保育園に通わないのか
「幼稚園に通わせないメリット」のとこでもお話ししましたが、ここではもっと掘り下げた「幼稚園に行かせない理由」をまとめてみました!
幼稚園や保育園に通わないという選択をするのには、理由があるんです。
- 通わせたいけど、施設の空きがない
- 自分なりの教育方針を貫きたいから
- 金銭的な余裕がないから
- 発達上に問題がある
保育施設に通わせない人には、「通いたくても通えない」という理由と、「あえて通わせていない」という理由に分かれるんです。
通わせたいけど、施設の空きがない
いわゆる待機児童を含め、人気保育園は入園願書をもらうだけで長時間並ぶなどの激戦だったりするんです。
教育方針などを見て、「ここの幼稚園に預けたい」と願っても、その施設に空きが無く無園児になるというパターンも多いんです。
幼稚園の保育時間の中で「プログラミングが必修」とか「英語を習得できる」とか「毎日裸足で外遊びできる」とか、すごく魅力ですよね。
希望の幼稚園に通えないからと言ってあきらめきれず、転出などで空きが出るのを、幼稚園に通わずに待っている人もいるんです。
自分なりの教育方針を貫きたいから
自分の子どもは自分で育てる!と、強い意志があるママやパパは「無園児」という選択を選ぶことが多いです。
って聞くと「すごい…」と思いますよね。
昔の知り合いで、海外滞在が大好きなママが、お子さんとよく「1カ月海外移住」をして楽しんでいました。
しょっちゅう休むのも嫌だから、と幼稚園に通わせていなかったけど、海外の現地では幼児保育施設に入っていたみたい。英語ペラペラっこでした(笑)。
金銭的な余裕がないから
「幼稚園無償化」で保育料が無料でも、給食費やその他教材費、課外保育時の料金など、保育施設に預けるのって、色々とお金がかかります。
少し寂しい話になってしまいますが…「低所得世帯」や「母子家庭」など、社会的に不利な環境の世帯も、無園児になりがちな傾向にあるんです。
これは社会で手を差し伸べて、改善してほしい案件ですよね。
発達上に問題がある
保育施設によっては「障碍児保育」を行っておらず、先天性の病気を抱えているなどのお子さんを受け入れていないことがあるんです。
自宅から近い保育園・幼稚園が受け入れてくれない場合、わざわざ遠い園に通うよりは、自宅で過ごす選択をすることも多いです。
「通いたくても通えない」というパターンの無園児となります。
小学校で困ることはある?幼稚園に行かないデメリット
幼児期に保育施設に通わない、集団生活を経験していない場合、小学校に入学した際、困ることは「絶対にある」と言えます。(現役保育士談)
先程、幼稚園、保育園に通わないメリットをいくつか紹介しましたが、通わない事でのデメリットも実は多いのです。
- 幼稚園と小学校の連携の中で見過ごされる
- 年長のときの「小1スキル」を知らない
幼稚園と小学校の連携の中で見過ごされる
年度末になると保育施設側と、小学校側での「引継ぎ」も行われ、保育施設に通う子どもがスムーズに就学に移行できるように、地域の幼稚園・保育園と小学校は連携して子どもを見守ります。
子どもの性格や幼稚園で経験してきたことや注意点などを、先生間で共有してくれるんです。
…問題児の引継ぎとかもこのときされるのかな~なんて想像しちゃいましたw
保育施設に通わないと、当然「誰も我が子のことをよく知らない」場にいきなり子どもを通わせることになります。
年長のときの「小1情報」がわからない
小学1年生の先生は、保育施設の年長児の担任に対して「最低限、これは出来るようになって下さい」という条件を提示することがあるんですよ。
「最低限、これは出来るようになって下さい」という条件には、
- 「座って話が聞ける」
- 「20分で食事が食べられる」
- 「牛乳パックが潰せる」
- 「人の話を聞いて、返事が出来る」
などがあり、保育士さんたちはこういった力が身につくように、日々保育を行っています。
保育指針には、「就学までに身につけるべき10の姿」という内容も組み込まれているんですって。
そういった知識が無いまま家庭のみで子育てを行っていると、就学時に生活面での差が大きい可能性があります。
そしてその差をクラス内で実感し、克服していくのはお子さん自身で、学校の中で親は手助けをすることができません。
家庭のみで子育てを行うメリットもありますが、デメリットも多いという事は頭に入れておくと良いでしょう。
って怖がらせたいわけじゃないので、現役保育士さんに「幼稚園に行かないならば、家庭内でこれだけはやっとこう!」を聞いてみました!
幼稚園行かないなら、これだけはやっとこう!4選!
保育施設に通わなくても、就学後に困らない為にやっておいた方が良いことを紹介します。
- 時間の感覚を意識させる
- 近所の公園などで遊ぶ時間を増やす
- 挨拶を身につけさせる
- お絵かきをたくさんさせる
1.時間の感覚を意識させる
小学校では、授業の合間に「休み時間」が設けられています。
休み時間は大体が10分。長い時は20分。この時間内にトイレに行ったり、次の授業の準備などを行わなければなりません。
10分、20分というのがどのくらいの長さなのか?が時計を見ただけでわかると、小学校生活もスムーズに進むでしょう。
とはいえ…我が子たちを見ても、小1で時計を教えるのは大変ですよね。
おすすめはしまじろうの「こどもチャレンジ」。教材にしまじろうの声がする時計があり、10分や20分の間隔くらいはかんたんに覚えられますから!
2.近所の公園などで遊ぶ時間を増やす
幼稚園や保育園の大きな強みは、「慣れ親しんだ友だちと同じ小学校に行ける」ということです。
逆に言うと、幼稚園に通わずにいきなり小学校から集団生活を送る子どもは、周囲が「知らない子だらけ」ですよね。
就学後、一人ぼっちと感じて、学校が楽しくないと思うかもしれません。
そうならないためにも近所の公園などで遊ぶ機会を増やし、近所の子どもや同年齢の子どもと関わる時間を多くしてみてください!
そこで友達の作り方や、社会性を学ぶ機会にもなります。
顔見知りが増えることで、小学校生活がスムーズにスタートする可能性も大いに高まりますしね!
3.挨拶を身につけさせる
「おはようございます」「ありがとう」「お願いします」など、
生活に必要な挨拶が身についているだけで、学校生活は劇的に良くなります。
挨拶が出来る子どもは、まず先生達の目にもとまります。
友だちへの声がけも習慣になっていると、友だちもできやすくなりますよ!
4.お絵描きをたくさんさせる
「就学とお絵描きって関係あるの?」と、思うかもしれませんが、
お絵描きは「文字を書く」前の段階でもあるので、小学校の文字の練習に直接つながります。
小学校に入ると毎日毎日ノートに何かを書き込みますよね。
そこで最初から戸惑わないために、お絵描きをたくさんさせておくといいんですよ!
小さい時からお絵描きをする事によって、文字を書くことがスムーズになるのです。
お絵描きをする事によって、クレヨンやペンを握る「筆圧」の力がつきます。
この微妙な力加減は、繰り返しのお絵描きで身についていくんです。
お絵描きで丸や線を書くことは、ひらがなやカタカナを書くときにも大きく役立ちます!
「お絵描きよりも、文字を教えた方が早いんじゃない?」と思うかもしれませんが、それはおすすめできないんですよ…。
独学で文字指導を行ってしまうと、就学後に担任の先生に修正されたときに苦労するという話をよく聞くからです。
直接「文字を教える」のではなく、お絵描きを遊び感覚でたくさん経験させる方が、文字を教える事への一番の近道となるのです。
さいごに
幼稚園や保育園といった「保育施設」を利用しない家庭も存在します。
一般的に「保育施設には預ける」という考えが根付いていますが、「必ず通わなければならない」という訳ではありません。
家庭で子育てを行う事で得られるメリットがあるからです。
しかし、そのメリットの裏には「デメリット」もあるので、お子さんのために一番いい道を、よく考えてみてくださいね。
もし、保育施設に子どもを預けずに家庭のみで子育てを行うとしたら、上記の4つのこと「時計」「集団生活」「あいさつ」「お絵かき」を、就学前に家庭内で伝えていくことを、心がけてみてください。
子育ては100人いれば100通りのやり方があると思います。
正解・不正解ではなく、自分が選んだ道を「最良」にするために、個々が努力していけば、それでいいと思います。
少数派だからと言って幼稚園に行かない子供がダメだなんて、私は全く思いません。
子どもたちが義務教育の中にスムーズに入れるよう、子育てを工夫して行うことで、幼稚園に行かない選択も「あり」ですよ!
さいごまで読んでくれてありがとうございました!
この記事は現役保育士のこの方に監修していただいております。
私の子供たちはほぼ無園児でした。当時は無償化ではなかったのでお金がかかる、お迎えの13:50頃、下の子供たちとママのお昼寝時間、などの理由です。アルバイトに出る時に保育所の一時保育を利用したりしていました。またお金の話ですが、保育所の月額を20で割った金額と一時保育の金額を比べると一時保育の方が少し安かったです。
プチ海外生活も何度かしました。(しょっちゅうはできなかった)
両親、親戚、近隣の方たちからは変人扱いされていました。
どちらの選択肢が良いとか悪いとかないという、こちらの記事は暖かく感じました。色々な子育てを認め合える、支援しあえるような社会がいいですね。
藤澤さん、コメントありがとうございます。
海外生活で無園児であるというケースも多いですよね。
私の知り合いのご家庭は「パパが夜中の仕事で、日中しか会えないから」という理由で無園児でした。どんな子育てでも認め合い、支援の手がある社会にしましょう!