ふるさと納税で「損する人」多数。6個のデメリットをチェックして!

ふるさと納税の生みの親が菅総理って知ってましたか?2008年にスタートして、2015年にワンストップ特例制度が設けられてから、利用者は一気に増え、開始から10年で5000億円の巨額市場へと成長しました。

2015年のワンストップ特例制度で、申告が楽になったことがユーザーとしてはありがたいですよね。

今回はよく知らずにふるさと納税を行い、損する人もいるので、ふるさと納税の6個の注意点をわかりやすく紹介していきます。

実は損をしていた…としても、ふるさと納税で地方の財政が活性化すると思えばいいですね。

も・く・じ

ふるさと納税とは

引用元:ふるさと納税ガイド

節税策として人気の「ふるさと納税」は、自分で選んだ自治体へ納税することができる制度です

自己負担金は2,000円で、選んだ地方自治体の特産品などを購入するだけ。「ふるさとチョイス」や「さとふる」や「楽天ふるさと納税」といったサイトから、通販商品を買う感覚で納税することができます。

蓮

サラリーマンはワンストップ特例制度で楽々。2015年からめっちゃ手軽にやりやすくなったよ。

開始10年でふるさと納税がなぜこんなに人気になったかと言うと…

  1. 税金がひかれる
  2. 自己負担額2,000円で日本各地の特産品がもらえる

という点です。私も長年主婦をやっているからわかりますが(離婚後もほぼ主婦笑)、ふるさと納税制度が始まる前から、地方の特産品は普通にお歳暮や自宅用として、年に数回買うんですよね。その購入代金負担が2,000円のみでいいとなると、そりゃみんな飛びつきます。

2008~2014年は「買った後どうすればいい?領収証はどこに送るの?確定申告まで1年以上とっとくの?」とか迷いまくりの制度でぽしゃると思っていたのに、2015年に見事問題点を解決し、一般ユーザーがものすごく簡単に手が出せるように改変してくれたので「おお!」と思いました。

政治家さんたちへの文句や苛立ちの声はよく耳にしますが、こうした素敵な制度の発案者っていう目で、菅内閣をもう少し長い目で見て見よう…と思えるほど、ふるさと納税はあたりの制度だと思います。

ただ、ふるさと納税で損する人もいるので、まずは計算をしっかりとしましょう!

ふるさと納税で損してないか計算法

まず、年収270万円以下世帯は、そもそも住民税が非課税なので、ふるさと納税をしても得することはあまりないと言えます。

自分のふるさと納税額を計算したい方は「こちらのシミュレーション計算」サイトをご利用ください。

独身または夫婦(子どもいない)…年収300万円以下だと、ふるさと納税額は28,000円まで。

「地方の特産品買い放題だぜ、ウェーイ」と買いまくらずに、年間の計画を立てて買いましょう。

 

ふるさと納税で「損する人」になってる?【6つの注意点】

ふるさと納税の仕組みを知らないと、「損する人」になってしまうので、以下の6つの点だけは頭に入れておきましょう。

【知っとくべき】ふるさと納税の仕組み。
  1. 税金がひかれるのは翌年度から
  2. 実は減税・節税になっていない
  3. 自己負担金の2,000円は必ずかかる
  4. 控除限度額を超えると、自己負担金が増える
  5. 世帯主でない人の名義で買うと、税が控除されない
  6. 6自治体以上にふるさと納税をする場合は、確定申告をしなくてはならない
蓮

簡単にポチッとする前に、ココだけ頭に入れてね

1:税金がひかれるのは翌年度から

ふるさと納税は「税金の前納」制度です。つまり、来年払うはずの税金を、今年に好きな都市へ支払っているだけです。翌年は「税金少ない!お得だウェーイ」と思うかもしれませんが、前年は苦しい中から支払ったかもしれませんよね。しかも自己負担金の2,000円は必ずかかります。

戻ってくるのが翌年になる、ということは覚えておきましょう。

2:実は減税・節税になっていない

ふるさと納税はそもそも、「自分が選んだ自治体に寄附する制度」なので、来年の税金を地方自治体に前納しているようなものです。しかも2,000円は絶対に自分の負担額になるから、別に得でも何でもない。応援したい地方を応援できる制度というだけのことです。

お得に思えるのは「返礼品」がある場合ですね。2019年6月から制度の改変で、その返礼品も「地場産品に限る」「寄附額の3割以下にする」というしばりが出たので要注意です。

3:自己負担金の2,000円は必ずかかる

返礼品がない場合のふるさと納税は、「払うべき税金+2,000円」を支払っているのと同じで、そこだけ切り抜いてみると、損な制度なんです。地方の特産品とかを買って「お得!」という気分になっている人が多いですが、2,000円は必ず損をしているんです。

返礼品がその2,000円に見合うかどうか?が損得勘定する鍵ですね。

4:控除限度額を超えると、自己負担金が増える

ふるさと納税は、世帯収入に応じた「控除限度額」があります。それを超えた分は自己負担となるため、控除限度額をあらかじめ知ったうえで買い物をしましょう。

>>控除限度額はこちらで計算

5:世帯主でない人の名義で買うと、税が控除されない

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ふるさと納税は、買い物をした後に、ふるさと納税をした自治体から送られてくる「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出する必要があります。

このとき楽天などで気軽にポチッとしたときに、世帯主ではない家族名義のクレカなどから引き落としの場合は、ふるさと納税の対象になりません。

妻が専業主婦の場合は、必ず世帯主の夫名義で買い物をしなければならないんです。共働きでも、妻に所得税や住民税がかかっていない場合は、やはり世帯主名義で買い物をしてください。

妻の年収が100万円を超えると住民税が(地域差アリ)、103万円を超えると所得税を支払う必要が出てくるため、そうなると妻の名義のふるさと納税もできるようになります。その場合は、夫婦それぞれでふるさと納税を行うことで、個々に制度の恩恵を享受することができます。

大きな落とし穴で、知人友人の多くが一度はこれで損をしているので、注意してください。

6:6自治体以上にふるさと納税をする場合は、確定申告をしなくてはならない

ふるさと納税は佐賀県や北海道など、日本各地の名産品から選ぶ人が多いと思います。しかし5つの自治体を超えて、6つ以上の自治体にふるさと納税をした場合は、確定申告の対象となります。

5つ以下ならば、以下に詳しく書いた「ワンストップ特例」の対象となるため、手続きがものすごく簡単になるから、できれば5つ以内の自治体に抑えましょう。

ただしワンストップ特例を利用するには他にも2つの条件があるのでチェックしてください。

ふるさと納税のワンストップ特例制度とは

ふるさと納税のサイトから買い物をしただけでは、節税になりません。翌年度の住民税や所得税を引いてもらうためには、やることがあります。

  • サラリーマン…ワンストップ特例の申請
  • 自営業、フリーランス…確定申告
ワンストップ特例のやり方。

ふるさと納税をした自治体から送られてくる「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」(→総務省のHPでダウンロード)を提出する。

これだけで、確定申告せずに済む、とても簡単な制度になったんです!しかしこの便利なワンストップ特例、自営業の方は利用できません。

ワンストップ特例を利用できるのは…?
  1. 確定申告をする必要がない人
    …ワンストップ特例は、サラリーマンや年金を受け取ってる世帯。確定申告をする必要がない世帯が対象です。自営業やフリーランス、医療費控除や住宅ローン控除を受ける人は、ワンストップ特例は利用できません。
  2. 納税先は5自治体以内
    …ワンストップ特例は、5つの自治体以内にふるさと納税をした場合に限り、認められます。6個以上の自治体にふるさと納税をした場合は、確定申告をしなければなりません。(同じ自治体に2回寄付したら「1自治体」とカウント)
  3. 期限内にワンストップ特例申請書の提出をした人
    …ワンストップ特例の申請書の提出期限は、毎年1月の頭であることが多いです。この期限に間に合わなかったら、確定申告を行いましょう。

ワンストップ特例は、ものすごく簡単な手続きでふるさと納税から減税につなげてくれるため、サラリーマンの方はぜひ利用しましょう。しかしワンストップ特例には落とし穴があるので、そちらもチェックしてください。

ワンストップ特例の落とし穴

ワンストップ特例をしても、その後「確定申告」をすると、ワンストップ特例の申請が無効になります。

つまり、ワンストップ特例をした後に「医療控除あるじゃん!」と慌てて医療費のみの確定申告をするなどすると、ふるさと納税の申請が無効になって減税になりません。

何らかの事情で後から確定申告をすることになったら、2度手間ですが、確定申告で必ずふるさと納税の内容を含めてください。

 

ふるさと納税・人気の県ランキング【2019年度・最新】

この記事を書いている時点で、2019年度のデータが最新版です。ふるさと納税制度が始まって、潤いまくってる日本の都道府県はどこでしょうか?

3位:佐賀県

  • 2019年度受入額…266億4285万円
  • 人気の返礼品…ブランド米、黒毛和牛、ハンバーグ
  • 人気の自治体…上峰町

佐賀牛やさがびより(ブランド米)を日常品として購入して、翌年度の住民税を節税する人は多いですよね。特産品はお歳暮やギフトにも喜ばれるので、地元特産のブランド品がある県は潤います。

2位:鹿児島県

  • 2019年度受入額…311億6713万円
  • 人気の返礼品…黒毛和牛、黒豚、芋焼酎
  • 人気の自治体…南さつま市

牛や豚の独自のブランドを持っている鹿児島県も強いです。桜島や屋久島という有名な観光地がある上に、西郷隆盛などの有名人のゆかりの地としても人気です。コロナ禍で旅行に行けない分、今後もふるさと納税先として人気が出そうな予感。

1位:北海道

  • 2019年度受入額…660億4672万円
  • 人気の返礼品…ホタテ、ズワイガニ、いくら、ウニなどの海産物
  • 人気の自治体…紋別市、白糠町、根室市

北海道は日本の「ふるさと納税大国」と言われるほどに、ふるさと納税先として集中した人気を誇っています。受入額も2位の鹿児島から300億円以上の差をつけての、堂々1位です!ホタテやウニなど、北海道でしか手に入らない海産物に人気が集中しており、過疎化の進む漁村地帯の大きな税収となっています。

 

2021年度からの新しい【ふるさと納税先の選び方】

ふるさと納税のメリットは、「返礼品がもらえる」ではありません。ふるさと納税の最大のメリットは「応援したい地方都市に税金を納められる」ことにあります。

しかし遠方に住んでいると、自分が納めたふるさと納税がどのように役立っているかわかりませんよね。そこで最近はクラウドファンディング型ふるさと納税が流行ってきています。

自治体はそれぞれ「子育て支援」とか「Iターン受け入れ強化」や「文化遺産保全」など、ふるさと納税の使い道を示して、支援者を募るというスタンスになるのです。

蓮

応援したい都市を応援して更に返礼品がもらえたらもっといいのだけど(笑)

2019年からふるさと納税の返礼品が「地場産に限る」「納税額の3割」と制度改変されたために、返礼品による恩恵のほかに「地方支援」という違う角度からの視点を強調し始めました。

実際にこの改変後にふるさと納税額の総額は減少してしまいましたが、過剰な返礼品競争にてこ入れをした結果、納税者が自身の利益よりも地方の自治に目を向けるきっかけにもなりました。

自分の故郷、愛着のある都市、応援したい戦国武士(笑)など、理由は人それぞれですが、これにより地方が活性化して都市集中が緩和すればと願います。

さいごに

ふるさと納税は、実は「2000円損する制度」で「2000円以上の返礼品がもらえて初めて得する制度」だとお分かりいただけたでしょうか?たいていの返礼品は2000円以上なので安心ですね。

世帯主の名義のクレカで買うという点をしっかりと注意して、家計に役立てつつも、ちらりと地方の自治に目を向けるきっかけとなることを願います。

最後まで読んでくれてありがとうございました。