2020年11月6日に、菅政権が「2021年度には児童手当の特例給付をなくす方向で検討を始めた」とニュースで報じられ、日本中の子育て世帯が震えましたね。
※この記事を書いている11月16日にはまだ決定しておらず、あくまでも可能性の話であることをご了承の上、ご覧くださいね。
ひとり親の我が家も児童手当がなくなると困る!というわけで、詳しく調べてみました。
すると、主に「児童手当をもらっている共働き家庭の所得制限に応じてもらえなくなる」という内容が浮かび上がってきました。
- どんな世帯が児童手当がなくなるかもしれないのか?
- ひとり親世帯はセーフ?
- そもそも児童手当の特例給付って何?
- 今までいくらもらってて、総額いくらもらえなくなるの?
「もらえないとヤバいんだけど!」と焦っている方は、参考にしてください。
も・く・じ
児童手当は「共働き×所得制限」でもらえなくなる?
2020年11月6日に政府で検討された児童手当に関する議論では…
「主たる生計者」から「世帯合算」の所得で判定する方向です。
今までは「夫の年収700万円で、妻は年収300万円」の共働き世帯では、児童手当の所得制限は700万円として見られていました。
しかしこれが「世帯合算」になると、上記世帯の年収は1000万円となり、児童手当の所得制限をオーバーすることになってしまいますよね。
このケースに引っ掛かるだろうと思われる世帯が、児童手当受給者の約25%にも上ると言われています。
そもそも児童手当の所得制限はいくら?
平成24年6月~
児童扶養手当をもらえる所得制限は、上記の図のように、扶養人数の数によって変わります。
例)夫サラリーマン・妻専業主婦・子ども2人の家庭では、扶養家族3人となり、所得制限は年収960万円(※控除を差し引いた所得額で、あくまでも目安)となります。
このたとえで行くと、上記の家庭で夫の年収が961万円(極端な話)だと、児童手当はもらえないことになりますよね。
しかし所得や控除のわずかな違いでもらえないことに不平等を感じるため、現行(2020年11月現在)では、
所得制限を超えた世帯の子どもに対しても、「特例給付」と名付けた児童一人当たり月額5,000円が、支給されています。
※特例給付の場合は児童が3歳未満かどうかは問わず、一律5,000円です。
ひとり親の児童手当はなくなる?
2020年11月6日の菅内閣の議題では、「世帯収入」の大枠の話がされました。
- 所得制限を「主たる生計者」から「世帯全体」へ
- 特例給付の廃止
大きく変化するのはこの2点で、例えばひとり親であっても世帯全体の年収が子どもの数に応じて1000万円を超える場合などは、その特例給付がなくなる可能性はあります。
ひとり親で世帯年収が、児童手当の所得制限を超える例はそう多くないと思いますが、可能性はありますよね。(法案自体、まだ決まっていません。2020年11月16日現在)
そもそも児童手当の特例給付とは?
「児童手当」は知ってるけど、「児童手当の特例給付」って何?とわからない方のために、簡単に解説いたしますね。
- 児童手当…「中学卒票までの児童を養育している世帯」に行政から支給される手当てのこと。所得制限を超えた世帯には給付なし…?
- 児童手当の特例給付…児童手当の所得制限を超えた世帯に、子ども1人当たり月額5,000円を給付すること。
つまり…例えば夫が年収970万円で妻が専業主婦で子どもが2人いる家庭では、児童手当の所得制限に(960万円)引っ掛かりますよね。この場合、特例給付の対象となり、子ども1人当たり月額5,000円が給付されるんです。
年収970万円もあって、更に月額5,000円もらえるの?なんで??と思いますよね。
所得の線引きが難しく、控除を差し引いた所得額を出すと、誤差が生じ、少しでもオーバーしたら児童手当がもらえないという不平等さを解消するための特例給付という措置なのです。
今までの児童手当の金額
出展元:厚生労働省HP
本来の児童手当は上の図の通りです。
- 0~3歳未満…一律15,000円
- 3歳~小学校終了まで…第1・2子:10,000円、第3子以降:15,000円
- 中学生…一律10,000円
- 所得制限限度額以上…一律5,000円(特例給付)
本来は3歳未満かどうか、そして子どもの人数によって児童手当の額は変わります。
児童手当廃止の理由は?
先ほどの図をもう一度ご覧ください。
上記の図の一番下の段の「給付総額」を見てください。
- 給付総額…令和2年度予算:2兆929億円
となっていますよね。
2020年11月6日に菅内閣で議題に上った「児童手当の特例給付の廃止」と、「所得制限を【世帯の主たる生計者】から【世帯の合算】にすることがもし実現したら…約900億円の予算削減(歳出削減)になると言われています。
政府はこの900億円を、待機児童対策に必要な財源と考えているようです。待機児童数は2020年4月時点で12,439人に上り、解消には至っていません。待機児童解消のために、今年度から5年間で14.1万人分の保育施設の整備が必要と見込まれており、約1600億円の追加財源が必要と言われています。
↑この1600億円のうちの900億円分を、児童手当の特例給付の廃止と、所得制限見直しで確保する見通しなんですね。
子育て世帯のみが痛手を被るわけではなく、残りの700億円は別のところから捻出する計画なんですね。
児童手当の変更はいつから?
2020年11月6日の議題の内容になりますが、政府は12月上旬をめどに、所得制限の年収基準など、具体的な設計を決めるということです。
記事を書いている時点で未定ですが、以下の事柄が検討されています。
- 児童手当の特例給付を廃止するか
- 児童手当の所得制限を「主たる生計者」から「世帯全体」にするか
- 一連の改正が難しい場合は、年収の基準を引き上げるか
- 多子世帯への児童手当増額するか
参照元:ヤフーニュース
児童手当なくなるとどのくらい損するの?
ちなみに、児童手当がなくなるとどのくらい損をするのか、参考例を挙げて計算してみました。
例)夫の年収1000万円+妻は専業主婦+小5と小1の子ども2人の場合
もともと「主たる世帯主の年収」で所得制限を超えているため、小5の子ども5,000円分と、小1の子ども5,000円分の、合計1万円を毎月特例給付として受け取っていた世帯の場合は、どうなるでしょうか。
2人の子どもがそれぞれ中学3年生まで特例給付をもらえたとしたら、総額84万円になります。
もしも今回「特例給付が廃止」になったら、この84万円はまるまるもらえなくなります。
例)夫の年収700万円+妻の年収300万円+小5と小1の子ども2人の場合
また、もっと痛手を負うと言われている共働き世帯も見て見ましょう。今までは、所得制限の限度額を超えていなかったため、毎月2万円の児童手当を受け取っていました。
2人の子どもがそれぞれ中学3年生まで児童手当をもらえたとしたら、総額168万円になります。
もしも今回「特例給付が廃止」になり、「所得制限を世帯合算」となったら…この168万円はまるまるもらえなくなります。上記のパターンよりももっと痛手です。
さいごに
児童手当の共働き世帯の所得制限が、今後どうなっていく可能性があるのかを調べてみましたが、いかがでしたでしょうか。
わたしとしては…世帯所得が1000万円もあるのならば、待機児童解消のための財源として、特例給付がなくなってもいいのではないか?と思うのですが、実際にもらえなくなる世帯からすると反対したくなるかもしれません。
年金への不安があり、将来の備蓄を蓄える人も多いですよね。
私たち国民が安心して年をとれる国にしていくことで、こうした歳出削減案への反対の声も減ると思います。
最後になりましたが…
今回の内容は、ひとり親にはほぼ関係の無い事でしたね(笑)。
ひとり親で、年収1000万円あり、特例給付を受けている家庭は、その月額5000円がなくなる可能性はあります。