子どもの勉強にかかる費用の支援金をくれる機関として、東京都福祉保健局があります。「受験生チャレンジ支援貸付事業」という制度があり、受験生の塾費用や、受験費用を無利子で借りられます。
「受験生チャレンジ支援貸付事業」は塾や受験費用の「貸付」をしてくれるだけで、正確には支援金ではありません。
ただ、対象の高校や大学に合格した場合は「返済免除」となります。
今回は東京都福祉保健局の…
- 支援金対象者
- いくらまで借りられる?
- 借りる手順は?
など、詳しくお伝えしていきますね。
都内だけってのが羨ましくなるくらい、いい制度ですので、都内の方はラッキーですね!
今回はひとり親だけではなく、全ての子どもがいる世帯が対象の支援金のお話です♪ひとり親向けのお金の情報記事は他にもあるので、併せてご覧くださいね。
コロナ禍でも需要の高い、シンママでも資格なくてもすぐにできるお仕事ランキングまとめてみたので、そちらの記事もご覧くださいね。
も・く・じ
東京都福祉保健局の貸付とは?
東京都福祉保健局には、「受験生チャレンジ支援貸付事業」という制度があります。
ざっと概要を説明すると…
- 学習塾等受講料・受験料を無利子貸付
- 中3、高3や準ずる人が対象
- 高校・大学等に入学した場合、返済が免除
- 中途退学した方の再チャレンジにも利用可
- 学習塾、各種受験対策講座、通信講座、補習教室の受講料や、高校や大学などの受験料に利用可能(家庭教師は不可)
無利子の貸付というだけでもありがたいのですが、高校・大学等に入学した場合は返済が免除されるという嬉しさが特徴です!
すごくいい制度に思えますが、ネックはあります。
「受験生チャレンジ支援貸付事業」のココがイマイチ
- 東京都のみの制度である
- 貸付に連帯保証人が必要である
- 審査結果は連帯保証人にも内容が共有される
連帯保証人に書いてもらう書類は、遠方の場合はいちいち郵送でサインやハンコを押してもらって送り返してもらうので、手間がかかります。
2022年度以降は「ハンコレス」で手続きが手軽にいくよう改変もしていきたいとのことですが、現時点では未定です。
連帯保証人をどうしても用意できない人は、受験するお子さんご自身を「連帯借受人」にすることができます。
「受験生チャレンジ支援貸付事業」を受けられる人に関しては、割と厳しい条件があるので、以下でまとめてご確認ください。
東京都福祉保健局の支援金を受けられるのはどんな人?
「受験生チャレンジ支援貸付事業」に申し込むには、割と厳しい条件があります。2020年以降はコロナ禍の影響で、審査も緩くなっています。くわしくはこちらをご覧くださいね。
- 世帯の生計中心者であること
- 必ず連帯保証人が必要である(お子さん自身を連帯借受人にすることもできる)
- 都内に1年以上在住していて、住民登録していること
- 預貯金等資産の保有額が600万円以下であること
- 世帯の総収入または、合計の所得金額が一定基準以下であること
要するに、都内に1年以上住んでいて、連帯保証人を用意できて、所得制限以内の世帯主さんなら申請できるってことです!
所得制限はどのくらいの金額?
「受験生チャレンジ支援貸付事業」の審査に通ると言われている所得制限は以下の通りです。ひとり親の場合が条件が少しだけ緩くなっていますが、一般家庭でも大差ない所得で支援を受けられるので、自分が当てはまるのか、チェックしましょう。
収入から経費や控除を引いたものが「所得」になります。
必要書類は?
- 世帯全体の住民票(発行3か月以内のもの)
- 課税証明書(最新のもの)
- 賃貸借契約書(必要に応じて)
- 通帳等の保有額がわかるもの
- 在学証明書(生徒手帳とか)
- 借受人の身分証明書
- 塾などの受講料がわかる書類
- 塾のパンフレットなど
- 受験料の借り入れの場合は、受験料のわかる願書や学校案内などの資料
- 借受人と、連帯保証人の印鑑登録証明書
「課税証明書」は必須ですが、毎年6月頃に最新のものが発行されます。それ以前、4月や5月に申請して、6月に後から書類を送ってもいいのですが、手続きの流れ的にも「6月に課税証明書が出てから申請する」方がスムーズにいくのでおすすめです。
上は必要書類だけど、書類が必要ないものもあります↓↓。
- 土地や建物の所有している証明書
- 生活保護受給世帯の、世帯主・又は構成員でないこと
- 他の公的資金の返済を滞納していないこと
- 他の公的資金の連帯保証人になり、返済を滞納していないこと
↑この辺りは自己申告のみで、証明する書類とかは必要ないってことですね。
また、借りたお金をきちんと塾の受講料や、受験費用に充てたことがわかる領収証も、確認書類として必要なので、取っておきましょう。
いくらまで借りられる?
「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、いくら借りられるのでしょうか。
塾の受講料など | 上限20万円 |
中3または準ずる児童の受験料 | 上限27,400円 |
高3または準ずる児童の受験料 | 上限80,000円 |
遠方に受験に行く宿泊費などはカバーできないですが、それでも助かりますね。
塾はどんな塾が対象なの?
塾と言っても、どこでもいいのか、大手じゃなきゃダメなのか?調べてみました。
結果、ほぼどこの学習塾であってもOKです。多分。
「一定期間以上継続して、生徒に対して有償の学力の教授を直接または通信で行うもの」とありますので、地方の名の知れていない塾でもおそらくOKです。不安な方は必ず、申請時期に確認してくださいね。
ただし、家庭教師はNGですのでご注意ください。
受験する高校や大学に指定はあるの?
- 高校…学校教育法に規定する高等学校、特別支援学校(高等部)、高等専門学校(同法第1条)。
- 大学…学校教育法に規定する大学、短期大学(同法第1条)、専修学校(同法第124条)、各種学校(同法第134条)。
とあります。「結局どの学校ならOKなの?よくわからない…。」と思うのですが、要するに、日本のほぼすべての高校・大学・専門学校などを網羅していると言っていいでしょう。
我が子の行く塾や、受験する高校・大学が対象ないかどうかは、申請時に必ず確認してくださいね。
>>子どもの受験する高校・大学も対象となるか?を確認できる窓口
無事に合格すれば、借りたお金を返さなくてOKですから!
本命の学校に落ちても、すべり止め学校に受かれば返さなくていい?
塾費用や受験費用を借りる申請をするときに「本命校」を伝える必要があります。
万が一、「本命校」を落ちた場合でも、「滑り止めの私立校」など、どこか合格しさえすれば、基本は返済免除となります。
受験生の世帯としては、かなり嬉しいサービスですよね。
借りる手順は?
受験生チャレンジ支援貸付事業で借りる手順を簡単に紹介いたしますね!
- 区市町村の窓口に行きます。(→相談窓口一覧)
- 世帯や収入の状況・志望学校や通う塾が対象であるかどうかを確認します。
- 申請書をもらい、必要書類とともに提出します。
- 審査を行い、結果を通知でもらいます。(自分と連帯保証人に通知が行く)
- 審査に通ったら、借用書に借りる人と、連帯保証人の自筆署名・押印(実印)をして、必要書類とともに区市町村窓口に提出をします。
- 借用書提出から2~3週間後に、貸付金が振り込まれます。
また、借りた翌年(令和3年に借りた場合は令和4年の)3月末までに、使った塾費用や受験費用の領収証を、区市町村窓口に提出しなければなりません。
領収証の提出がない場合は、合格したとしても、一括返金しなければなりません。
コロナ禍による、優遇はある?
「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、コロナ禍によって条件が少しだけ緩くなりました。通常であれば前年度の収入で判断するところを、コロナ禍により本年度の収入が減少している場合、本年の収入で判断してもらえます。
- 給与所得者の場合…源泉徴収票など、本年の収入がわかるもの
- 自営業や事業所得者の場合…収入減少の理由などを踏まえた「本人申告」(←つまり書類いらず)
くれぐれも、嘘をついて貸付を受けないでくださいね。