大学の奨学金を、卒業後に10数年返し続けるのは嫌ですよね。
裕福でない家の子どもでも(子どもって言うかな)、平等に学びを受けるための奨学金ですが、ほとんどの人は「借金型奨学金」を利用しています。そしてかえって生活苦に陥っているんです。
だから、大学に行くための奨学金を受けるなら、「貸与型」ではなく「給付型」を強くおすすめいたします。
そこで今回は、大学のための返さなくていい奨学金の受け方を紹介いたします。
日本学生支援機構とは違う、企業や慈善団体が主な出資者です。日本学生支援機構との併用可能なものもたくさんあるので、高校生、大学生の生徒さんご自身や、その保護者様は参考にしていただければと思います。
大学にかかる4年間の総額と、大学無償化制度については以下の記事にまとめたのでご覧ください。
も・く・じ
【奨学金】給付型と貸与型の違い
- 貸与型…借金して学費を払う(卒業後10数年かけて返し続ける)
- 給付型…もらえるので、返さなくていい
このサイトに来てくださったということは、ひとり親か生活が苦しい家庭の方だと思います。そういう方々は、はっきり言って貸与型の奨学金を受けてはいけません。この先ずっと借金を背負うことになりますから。
生活が苦しい人向けに、大学生に奨学金を提供している企業団体はたくさんあります。
家が裕福でないという方は、迷わずに給付型奨学金を狙ってください。
貸与型の奨学金はやめた方がいい理由
引用元:ライブドアニュース
上記は2021年6月のものです。貸与型奨学金は、「奨学金」と名がつくけど結局は「借金」にすぎません。返さねばならないんです。
学歴を積めば積むほど借金が増える仕組みなのです。
そこで多くの学生が「学び」よりも「就職」を取り、研究職に残る人材は年々減っているんです。
これからお子さんを大学に通わせる方にも、大学に行くご本人にも、私は「貸与型の奨学金は絶対にやめた方がいい」とお伝えいたします。
2020年から日本でも「大学無償化制度」が始まったので、生活困窮世帯の学生でも、給付型奨学金を受けて大学に通いやすくなりました。大学無償化制度に関しては、以下の記事もあわせてご覧くださいね。
上の記事でも書きましたが、大学無償化制度は最大4年間で722万円の給付を受けることができます。
しかし中には「それでも足りない!」という方もいますよね。贅沢な訴えではなく、無償化制度では都心の一人暮らしをした場合はちょっと足りないくらいの金額なのです。
また、大学無償化制度は住民税非課税の生活困窮世帯が主に対象となっているので、年収で対象外となる世帯は受けられません。
足りない分を補うには、他の民間の奨学金を受けることをおすすめいたします。日本学生支援機構が行う大学無償化制度でもらえる給付金以外にも、大学生を対象とした奨学金は幅広く存在します!
以下に、「他の民間の奨学金の探し方」を説明いたしますね。
給付型の奨学金のもらい方
まず、お子さんが高校3年生になったら、準備を始めましょう。実際に奨学金を申し込むのは、大学入学後になりますが、どのような企業や内容なのかを、親子で共有しておいた方がいいからです。
わかりやすく手順化して書いていきますね。
- 行きたい大学の奨学課に連絡(HPがあればそれをチェック)
- 奨学課に「自分が行く年の奨学金情報を教えてください」と頼む
- その年の奨学金のリストが手に入る
- 奨学金リストをチェックし、「金額」「支給期間」「やらなければならないこと」などを見て、申し込む奨学金を選ぶ
1:行きたい大学の奨学課に連絡(HPがあればそれをチェック)
まず、日本の大学のほとんどには「奨学課」というものが存在し、その年に学生に支援してくれる企業などの奨学金情報を一括してもっています。
東京大学のホームページを例にとると、このようなページです。
京都大学のホームページにもありました。
このように、行きたい大学のホームページをチェックしてみましょう。ここで「自分が行く年の奨学金情報」を手に入れたら、↓の4番にすすめます!
2:奨学課に「自分が行く年の奨学金情報」を頼む
奨学課に自分が行く年の奨学金情報を頼むと、リスト化した奨学金情報をもらえます。それが給付型奨学金をもらえる可能性の第一歩です!
3:その年の奨学金のリストが手に入る
参照元:東京大学のホームページ
奨学金リストを手に入れたら、次は早速内容をみて、自分がどの奨学金を受けられるか、選びましょう。上の画像は、東京大学の2021年度の(もう締め切られた)奨学金情報です。毎年更新されるので、入学前にチェックしましょう。
左から「企業名」「募集要項や支給期間、学科」「他の奨学金との併用可かどうか」「借金か給付型か」「支給金額」「募集人数」となります。
大学により前後しますが、入学してすぐの4月頃に問い合わせるといいです。
4:「金額」「支給期間」「やらなければならないこと」などで奨学金を選ぶ
奨学金をくれる企業を選ぶポイントは…
・「金額」
・「支給期間」
・「日本学生支援機構と併用可能か」
・「奨学金をもらうためにやらねばならいないこと」
です。
「金額」は多いに越したことはありませんが、給付型奨学金でたくさんもらえるものには、当然他の学生も集まります。倍率は毎年公開されませんが、倍率を考えると金額の多さだけで選ばず、他の情報も見ましょう。
「支給期間」は在学中全てをカバーしているものが望ましいです。1年限りのものも中にはあるので、毎年違う場所に申し込み、もらう額を変えるという人も中にはいます。
日本学生支援機構の奨学金を受けるならば、「併用可能」を選びましょう。
参照元:京都大学平成31年度の奨学金情報
併用可能の「可」のものも多いですが、中には「不可」や「給付型は不可。貸与型は可」などもあるので、ここでまず絞り込むといいですよ。
うちは併用可、一色選別です。
「奨学金をもらうためにやらねばならないこと」とは、奨学金リストに書かれています。企業によって内容が大きく違うので、必ず目を通してください。
これは2021年度の東京大学の奨学金・内部専攻の募集掲示の一部です。ちょっと見えにくいですが、「卒業時には協会へ報告」「インターシップや交流会への産科義務」などと書かれています。
「毎年2回成績報告」や、「講師の判定書」などを求められることもあります。ここもよくチェックして、自分が対応できるものを選びましょう。
給付型奨学金の申請に通りやすくなる方法
実際に奨学金を受けた方に聞いたところ、こうした給付型奨学金に受かりやすくなる方法はあるとのことです。
この記事を書いている時、まだ長男が中2で、我が家は未経験ですw今後活用するぞ!
- 経済力がないことをアピールする
- 授業にしっかりと出席する
1:経済力がないことをアピールする
大学の給付型奨学金を受けるためには「借金型の奨学金を返す経済力がない」とアピールすることが一番です。
「親が病気」「親が高齢者」「住民税非課税世帯である」「親戚の数も少ない」「親戚にも裕福な人はいない」など、奨学金を申し込むときに必ずアピールしましょう。
なぜ貸与型の奨学金ではなく、給付型の奨学金を受けたいのか?
の問いに、「お金が欲しいから」ではなく、「借金しても返す能力がないから」をアピールした方が効果的だからです。
2:授業にしっかりと出席する
返さなくていい奨学金には、「◎◎の授業を受ける」「◎◎先生の授業を受ける」「◎◎先生に書類を書いてもらう」などの条件がある場合があります。
奨学金のリストを手に入れたら、該当する授業や先生の授業を熱心に受けましょう。
一番前の席に座り、話をよく聞く、とか?相手も人間なので、熱心に授業を受ける学生には、よくしてあげたいと思うものです。
「借金する余裕がないほど生活困窮世帯だけど、先生の評価の高い能力ある学生にこそ、投資したい」と支援者も考えます。(多分)
返さなくていい奨学金は、月に8万円もらえるものもあります。
つまり1年間で96万円もらえるんです。
4年間で384万円ももらえるんです。
それほどの投資を受けるに値する人間であるって証明するためにも、授業をしっかりと受けて、素晴らしい人間に成長すべく、努力を重ねてくださいね。
頑張れ学生さん!
給付型奨学金おすすめ4選
以前、給付型奨学金をピックアップした記事を書きましたが、その後調べていくと、給付型奨学金はもっともっとたくさんあることがわかりました。
ネットで簡単に手に入る給付型奨学金の情報を簡単に紹介していきますね。
- ◎キーエンス奨学金
- ◎ローソンの奨学金
- ◎コープみらい奨学金
- ✖民奨の奨学金
- ✖読売新聞、朝日新聞の奨学金
- ◎東京都福祉保健局の支援金
◎キーエンス奨学金
まず、有名なキーエンス奨学金です。月額8万円を給付型で4年間受けることができます。日本学生支援機構の給付型奨学金とは併用不可ですが、減免制度とは併用可能です。世帯収入や成績に関わらず応募できますが、審査の中でこれらのことは影響していると思われます。
1次審査にも2次審査にも「小論文」があり、この論文が審査を大きく作用するとされています。
審査に通り奨学金を受けることができてから、毎年4月と10月の2回、成績証明書と在学証明書をキーエンス財団に送る必要があります。
◎ローソンの奨学金
次におすすめなのはローソンが支援している「ひとり親家庭支援奨学金制度」です。ひとり親家庭が対象となります。毎月3万円の給付型奨学金で、期間は1年間です。他の奨学金との併用は可能です。
◎コープみらい奨学金
コープみらい奨学金は、東京・埼玉・千葉限定の奨学金です。ひとり親家庭の子どもを対象としており、月に1万円を3年間もらえます。他の奨学金との併用は可能です。
コープの会員になる必要があります。
✖民奨の奨学金
民奨でも「エンジェル」と呼ばれる一般募集の人が、学生を個人的に支援できる仕組みを作っています。けれど、実際に経験したという方の口コミがみつからなかったため、現在活動しているかどうかは不明です。
✖読売新聞、朝日新聞の奨学金
朝日新聞や読売新聞でも、「住み込みで働く代わりに、授業料を出してくれる」という条件付きで学生支援を行っています。しかし実際は早朝からの労働に疲弊する学生も多く、本当の本当の「苦肉の策」と考えるといいかもしれません。学業との両立は難しそうな印象です。
これらの「返さなくていい奨学金」について詳しくは以下の記事にまとめてあります。
これらの給付型奨学金はネットで簡単に手に入る情報でしたが、もっと小規模に、企業や団体が「生活困窮世帯の学生を救いたい」と思っている場合の情報は、毎年大学だけが持っています。
◎東京都福祉保健局の支援金
東京都限定のサービスですが、東京都福祉局では毎年受験生世帯を対象に「受験料」と「塾費用」を無利子貸し付けしてくれています。「貸付か…」と思うのですが、滑り止めの私立でも合格さえすれば、返済は免除となるので実質「給付」として受ける人も多いんです。
利用条件も生活困窮世帯に限りません。
- 世帯の生計中心者であること
- 必ず連帯保証人が必要である(お子さん自身を連帯借受人にすることもできる)
- 都内に1年以上在住していて、住民登録していること
- 預貯金等資産の保有額が600万円以下であること
- 世帯の総収入または、合計の所得金額が一定基準以下であること
割と幅広い人が利用できるので、お子さんの塾費用に悲鳴を上げている人は、以下の記事もチェックしてみてくださいね。詳しく書いておきました!
大学行くなら「返さなくていい奨学金」を狙え【まとめ】
お子さんの大学進学にあたり奨学金が必要な時に、ぜひ希望大学の奨学課に問い合わせてみてください。
そしてお子さんとともに、受けられそうな奨学金を選んでみましょう。
経済的に余裕ができれば、親子ともに学生生活を心より楽しむことができます。
ひとり親家庭の子どもでも、大学で勉強する夢を諦めなくていいんです!
返さなくていい奨学金を受けられるよう、高校3年生から準備を始めてくださいね。
最後まで読んでくれてありがとうございました。