事実婚とは?意味とメリット・デメリットまとめ&子供が出来た時の対処法

最近よく耳にする「事実婚」とは?

「内縁」とも違い、「同棲」とも違う「事実婚」とはなに?

今回は事実婚の意味と、事実婚の手続き方法と、

事実婚のメリットデメリットまとめを紹介いたします。

また、事実婚夫婦に出来た子供は、婚姻夫婦に出来た子供とどう違うか?

別の手続き方法が必要かどうかを紹介していくので、参考にしてください。

事実婚とは?意味は?

事実婚とは、一般的な「法律婚」のように婚姻届を出さずに、

パートナーと生計同一&住居同一の生活をしている状態を指します。

生計同一でも住居が異なる場合でも、事実婚と認められるケースもあります。

婚姻関係のように相手との「結婚」をお互いに意識しているかどうかが、事実婚を意味づける大きな要素となります。

事実婚 メリット デメリット
出典元:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/0000088038.pdf

 

つまり事実婚とは、「共同生活の実態」と「双方の婚姻の意思」がそろっていれば認められるもの。

「事実婚」に認められている権利と義務。
  • 同居
  • 生計の協力
  • 扶養義務
  • 貞操義務
  • 婚姻費用分担義務
  • 日常家事債務の連帯責任
  • 夫婦別財産制と帰属不明財産の共有推定
  • 財産分与と不当破棄への慰謝料
  • 第三者の不法行為に対する救済

出典元:サルビアマジックカウンセリング

事実婚を選ぶ理由…なぜ婚姻届を出さないの?

事実婚 メリット デメリット

事実婚は選択的に選ぶもの。

ではなぜ、好きで結婚した相手と法律的な手続きをせずに「事実婚」を選ぶのか、理由を挙げてみます。

  • 姓名をわけるため。

私自身、事実婚をしたことがないため、色々な意見を探してみたけど、選択的事実婚を選んでいる方の「事実婚を選んだ理由」は上記の1点のみしか見つけられなかった…。

「え?それだけ?」

と思いますよね。

婚姻によって名字が変わらないためだけに、事実婚を選んでるのでしょうか?

いやいや、もうちょっと、法律婚に比べると楽な面がありました!

法律婚に比べると、事実婚が楽な面。
  • 結婚前のお試し期間と考えられる
  • 戸籍を変えなくていい
  • 印鑑を新たに作らなくていい
  • 銀行やクレジットカードの名字変更の必要がない
  • 保険や、被保険者の書類の姓名の変更がいらない
  • パスポート・免許証・資格の姓名変更がいらない
  • スマホの名義変更がいらない
  • 年金の氏名変更もいらない

※事実婚⇒離婚した場合もまた、これらの手続きの必要がない(←これめっちゃいい!)

うーん、確かに楽そうではあるけど…

事実婚は事実婚で、法律婚では当然認められている子供の嫡子権利などがないため、

別途手続きが必要になる面も。

これらの手続き関連以外に、事実婚を選ぶ意識的理由は、あると思います。

法律婚にある、意識的「しばり」がない。

日本の昔ながらの「嫁にとられる」意識がない。

事実婚の「名より実をとる」という行為が、近代の若者に好まれるのではないでしょうか。

事実婚と内縁の違い

事実婚 メリット デメリット

事実婚と内縁はほぼ一緒の内容。

認められてる権利、認められていない権利も一緒です。

にも関わらず、2つの言葉があるのはなぜでしょうか?

事実婚と内縁の違い。
  • 内縁
    …事情があって婚姻届を出すことが出来ない場合
    …どちらかというと「やむを得ない関係」
  • 事実婚
    …選択的に「法律婚を選ばなかった」場合
    …積極的に法律婚をしない関係

「事実婚」は、「法律婚」にしようと思えば出来るけど、敢えてしたくない場合を指すことが多い。

法的解釈は「事実婚」も「内縁」もそうかわらない。

けど、「事実婚=自発的内縁」とも言われるように、積極的に法律婚にしない関係を「事実婚」というケースが多いようです。

事実婚と同棲の違い

事実婚と、「同棲」も似てるように思えるけど…

事実婚と同棲の違い。
  • 同棲
    …お互いを「恋人」と思っている
  • 事実婚
    …お互いに「夫婦」と合意している
    …生計を協力していく

大きな違いはココじゃないかと。

一緒に暮らして、場合によっては生計を協力し合っている点では同じ。

だけど、同棲は「他人」。

事実婚は「夫婦」という概念でとらえられます。

事実婚と「法律婚」との違い

事実婚 メリット デメリット

事実婚を選ぼうという方にとって、一番気になるのは「法律婚」との違いですよね。

事実婚と法律婚の違い。
  • 法律婚
    …戸籍に婚姻していることが記される。
    …子供は「嫡出子」となる。
    …パートナーのどちらかが亡くなった場合、残った方に財産相続権がある。
    …配偶者控除の権利がある。
    …扶養義務がある。
  • 事実婚
    …戸籍にパートナーのことが記されない。
    …子供は「非嫡出子」となり、母親の戸籍に入る。(別に認知手続きが必要)
    …パートナーのどちらかが亡くなった場合、残った方に財産相続権がないため、あらかじめ遺書を用意しておく必要がある。
    …配偶者控除の権利がない。
    …扶養義務が認められない。

自分たちの意思で事実婚を選ぶ夫婦は、これらのことをあらかじめ頭に入れておきましょう。

近年では事実婚に対しても、配偶者控除や健康保険の被扶養者が認められるケースもあります。

ざっくりといえば事実婚は、

「法律婚では当たり前に認められている権利を、個別に申請していく手間がかかり、権利を認められないこともある」ということです。

事実婚のメリットデメリット

知れば知るほど事実婚素晴らしいです…

法律婚にしばられて苦しい思いをしてきたのに、

子どものことを考えて離婚できないわたしみたいな奥さんも多いと思うと、尚のこと。

物事はいい面ばかりを見ていてもはじまらないので、事実婚のデメリットもしっかりと見て行きましょう!

事実婚のメリットデメリットを以下にまとめてみました。

事実婚のメリット

事実婚のメリット。
  • 結婚と離婚の面倒な手続き全てを省くことが出来る。
  • 姓名を変えずにいられる。
  • 離婚が意志によってスムーズに出来るため、夫婦お互いを尊重し続ける。

離婚手続きの忙しさに気が遠くなったわたしだけに、事実婚は「離婚するとき楽そう」って思いました笑

妻の側が自分の名前を公的にだした仕事をしている場合は、事実婚は本当に都合が良さそう!

結婚前に妻の収益が年間130万円以上あれば、婚姻による扶養関連が受けられないから、

法律婚のメリットが感じられないんですよね。

妻の収益が年間130万円以上であれば、事実婚の選択も視野に入れてもいいかもしれません。

事実婚のデメリット

事実婚のデメリット。
  • 夫婦、子どもの戸籍が別になる
  • 立会い出産を認めてくれない病院がある
  • 賃貸物件を借りる時に、しぶる大家さんもいる
  • 子供が「嫡出子」ではなく、「非嫡出子」となる(出産後にパートナーに認知してもらう)
  • 夫婦別姓なので、子供の名字が父・母、どちらかと異なることになる
  • 遺産相続のために遺言状を作成しなくてはならない
  • その他、法律婚で認められている夫婦の権利を、別途申請する必要がある

事実婚のデメリットの大半は「子ども」関連かな~と感じました。

両親の名字が違うことと、父親の戸籍に入っていないこと。

このことが、子どもの人生に若干の影響を与えることが予想できます。

また、周囲からの圧迫も多そう…

「子どもがかわいそうだから、籍を入れたら?」なんてモラハラをしょっちゅう受けそうです。

法律婚のメリットデメリット

法律婚のメリット

法律婚のメリットは、明白ですよね。

法律婚のメリット。
  • 妻の収益が年間103万以下の場合…扶養控除を受けられる
  • 妻の収益が年間130万以下の場合…社会保険被扶養者となれる
  • 子どもが自動的に「嫡出子」となり、両親と同一性になる
  • どちらかが死別した場合の、遺産を相続する権利が、配偶者に与えられる

他にももろもろありますが、大きいのはこういったところ。

特に女性の場合は、「夫側の収益に身をゆだねることが出来る」という点で法律婚を選ぶことが、一昔前では一般的でした。

また、子どもを作りたい場合の普遍的家族の成立も、法律婚の大きな目的。

しかし近年では、経済低迷より、夫婦共働きが一般的。

そして、共働き夫婦世帯の、妻にかかる過剰労働負担が社会問題となっています。

結婚前に妻の収益が130万を越えている場合、そもそも法律婚をせずに、

事実婚のまま同居をする選択肢が、今後増えていくメリットの方が多そうです…女性にとって。

…って思うのは、法律婚⇒離婚を経験した私だからでしょうか?w

事実婚に手続きは必要?

事実婚 メリット デメリット

事実婚に手続きは要りません。

当人同士が「夫婦として生きている」と自称すればいいわけです。

が、それだけだと公的なサービスを受けられませんよね。

「事実婚」に認められている公的サービスや義務や権利。
  • 生計の協力義務
  • 扶養義務
  • 貞操義務
  • 婚姻費用分担義務
  • 日常家事債務の連帯責任
  • 夫婦別財産制と帰属不明財産の共有推定
  • 財産分与と不当破棄への慰謝料
  • 第三者の不法行為に対する救済

夫として、妻として、「法的夫婦」同等のこうした権利を受けるためにも、事実婚でも証明書類が必要となります。

その事実婚の証明書類は以下のもの。

事実婚を証明できる書類とは

事実婚の証明書類。
  • 住民票
  • 公正証書

住民票による証明

住民票は、同一世帯全員分の名前でまとめることが出来ます。

またその際に、「夫」の蘭に「夫(世帯主)」、「妻」の蘭に「妻(未届)」と記すことで、

生計をともにした同一世帯に、夫婦として生活していることを記すことが出来るんです。

上の夫と妻の「世帯主」と「未届」記載は、逆の場合もあります。

公正証書による証明

公正証書は、公正役場で作成してもらう、公的に効力を持った証明書です。

離婚の時に、慰謝料や養育費の取り決めをまとめて、公正証書に記しますよね。

あんな流れで(知らないかなw)、事実婚の時にも公正証書を作成するんです。

が、公正証書を作っている事実婚夫婦は、多くないのも事実。

公正証書は作っておいた方が、事実婚の不自由さを緩和することが出来ておすすめです。

事実婚で公正証書を作っておくメリット
  • 事実婚では立会い出産できない病院が多いが、公正証書により事実婚を証明すれば、立会い出産が可能になることがある。
  • 手術などの医療行為の時に、「夫婦」として同意書などにサインする権限が得られることもある。
  • 住宅ローンを組む時に有効である。
  • 不動産名義を共有する時に、有効である。
  • 保険金受取人などの手続きがスムーズにすむ。

普通の夫婦ならばスムーズにすむ場面でも、事実婚であるゆえにてこずることもある…

そこをスムーズにさせる効果が、公正証書にはあります。

事実婚で子供が出来たら?

事実婚 メリット デメリット

事実婚のよしあしで、一番の争点となるのは「子ども」に関することではないでしょうか。

事実婚で起こる子どもの問題。
  • 子どもの苗字…父親と別姓になる⇒出産と同時に婚姻届を出す事実婚夫婦もいる
  • 子どもの認知…本籍地の役所に、父親が子どもの認知届を出す必要がある
  • 子どもの扶養…認知届を出すことで、子どもの扶養義務が父親に生じる
  • 子どもの相続権…認知届を出すことで、子どもの相続権が生じる

子どもの苗字

子どもの苗字は、自動的に母親のものになります。

父親と苗字が違うことで、子どもが学校や公共の場で「日本に多い同性の家庭」との違いを感じることが起こりえます。

そのため事実婚を選んだ夫婦であっても、子どもの誕生と同時に法律婚の婚姻届をだす夫婦も少なくありません。

子どもの認知

事実婚で出産した場合は、子どもは自動的に母親の戸籍に「非嫡出子」として入ります。

出産後に父親が、父親か子どもの本籍地に「認知届」を提出することで、初めて父親としての権利や義務が生じます。

子どもの扶養

事実婚では、父親が認知したときから、父親の方にも子どもに対しての扶養義務がうまれます。

扶養義務とは…近親者が、経済的に自立できない人を支援しなければならない義務

事実婚⇒離婚した場合でも、認知されている子どもであれば養育費を父親に請求する権利があるということですね。

子どもの相続権

また、子どもを認知することで初めて、その子どもが父親の法定相続人となります。

平成25年に法改訂があり、それまでは「非嫡出子は嫡出子の2分の1の相続権」だったのが、「非嫡出子と嫡出子は同等の相続権」となりました!

民法の改正の概要
1 法定相続分を定めた民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めた部分(900条4号ただし書前半部分)を削除し,嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等にしました(注)。
2 改正後の民法900条の規定(以下「新法」といいます。)は,平成25年9月5日以後に開始した相続について適用することとしています。
(注)「嫡出でない子」とは,法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。

参照元:法務省

つまり…それまでは嫡出子の半分しか相続権がなかったのに、

平成25年以降は、嫡出子と同じ相続権が得られたって事!

法が、事実婚容認に向けて、一歩前進したかのようにもみえますよね。

まとめ

  • 事実婚とは、「お互いに夫婦と思い合っている」ことと、「共同生活の実態」がある状態を指します。
  • 事実婚は、女性が結婚により姓を変えたくない場合に、選ばれることが多い。
  • 法律婚に比べると、クレジットカードや銀行・免許証・資格、スマホや年金などもろもろの姓名変更手続きをしなくてよい。
  • 事実婚⇒離婚した場合でも、上記の手続きをすべてまぬがれる。
  • 事実婚と内縁はほぼ同じ意味で使われるが、内縁が止むを得ない事情で婚姻届を出せないのに対し、事実婚は自発的意味を持つ。
  • 同棲が「お互いを恋人」としているのに対し、事実婚は「お互いを伴侶」としている。
  • 法律婚は、「戸籍の変更」「子どもが嫡出子となる」「お互いに相続権がある」「配偶者控除の権利」「扶養義務」がある。
  • 事実婚の場合、法律婚で自動的に発生する権利を、個別に申請していくことで得られるケースもある。
  • 事実婚で「夫婦」と証明するために、住民票の登録と公正証書の作成が有効!

たかが苗字…されど苗字。

事実婚の一番のネックである「子どもが父親と別姓である」ということを除けば、

事実婚素晴らしいと思います!

が、そのたった一つの「子どもと父が別姓」が、

今の日本でどのくらいの不自由さをもたらすか…と考えると複雑です。

選択的事実婚夫婦がふえ、父と別姓がさほど論争を巻き起こさない社会になり、

契約でお互いを縛らずに生きられる夫婦が増えればと願います。

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